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Channel: 極星十字相殺拳
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サタンキングについて語ってみた

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1392115595882.jpg 宇宙の悪の支配者で「宇宙の大魔王」の異名をもつ超人。正義超人が地球に集まることを予測し、数千年も前から配下を地球に送り込み潜伏させていた。ある日、世界各地で部下を復活させ正義超人殲滅を図るも返り討ちにあったため子どもたちを誘拐し、自身の居城サタンタワーに正義超人たちを誘い出す。バリアを用いた/手段で正義超人たちを倒していき、バッファローマンをも倒す。

最後に残ったキン肉マンをあと一歩まで追い詰めたが火事場のクソ力を発揮したキン肉マンとの技の切り替えし合戦の末、キン肉ドライバーで敗れた。(CV:永井一郎)

技:サタン大津波、サタンブリザード、サタンサンダー


劇場版パンフレットによると、「宇宙の悪の軍団」の組織図としてはこのサタンキングが頂点で、その第一の配下が第2作目のボス、宇宙の暗黒帝王ブラックエンペラーで、そのブラックエンペラーの配下が宇宙野武士のブラックキングや、第1作目の宇宙地下プロレス連盟のボス、オクトバスドラゴンだそうだ。

その後の劇場版の敵は宇宙のどこかにかくれ住む「かくれ超人」、悪魔将軍の先祖の「朱点童子」、復活した悪魔将軍、そして新たな勢力の戦士超人であるので、第1作目からの敵の集大成ともいうべき、まさしく大ボスともいうべきキャラである。


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さらに委員長がいうには「正義超人はサタンキングが地球を支配するのを阻止するために生まれてきたのであり、今までの闘いはサタンキングと闘うための準備でしかなかった」という。


何やらどこかで聞いたような話である。確か某黄金聖闘士も似たような話を・・いやいや気のせいであろう。そもそもサタンキングのほうが早いし。


またストーンサタンが言うには「サタンキング様にとっては悪魔六騎士など部下の部下!」らしい。

完璧超人始祖と凄絶な闘いを繰り広げている今となっては、そんなアホなことあるかと言いたくなるところだが、これは見方を変えればある意味納得できるところがある。

タイトルに「正義超人対古代超人」とあるので、サタンキングとその配下=古代超人であり、正義超人や悪魔超人、完璧超人、戦士超人等々と同じく種族の一つと思いがちであるが、古代超人の定義のヒントがなんとグリムリパーの発言にあった。


1392115473649.jpg 「正義、悪魔、完璧と、かつて超人たちの属性が激しく枝分かれし、それぞれの属性に与する古代超人たちは属性の優位を示すため・・」


つまり、古代超人というのは大昔の正義超人、悪魔超人、完璧超人等々を含めた大きなカテゴリであり、正義だろうが悪魔だろうが数千年も前の超人はみんな古代超人といっても差し支えないことになる。

サタンキングたちを数千年前の悪魔超人だと仮定すれば、悪魔六騎士を部下の部下と見下すのも納得がいく。六騎士からすれば「老いぼれどもが」という感じであろうが。



そんなことで設定上はすさまじいほどのスケールを感じさせる敵なのだが、本編でそれが感じられたかといえば残念ながら「グ、グム―・・」という感じであった。なんせやり方が汚いもんだからどうも小物感を感じてしまう。


・子どもたちを誘拐して人質にする


・バリアで正義超人一人ずつしか入らさないようにする


・時間経過で子どもたちを船で押し潰そうとする


・バッファローマンを電撃でしびれさせ消耗したところを倒す


・子どもたちを助けようとするキン肉マンを背中から撃ちまくる


バッファローマンが「宇宙の大魔王ともあろうものがこんな小細工をせず、一対一の正々堂々の闘いもできないのか!」と言っていたが、まさにそのとおりである。。

しかし勝つためには手段を選ばないというなら作戦として極めて正しいものといえる。

実際、キン肉マンの肉ゲージを白にまで追いやってたし。まあ他の正義超人は最後ピンピンしていたのだが・・


何故小物感を感じるのかと思ったが、前作の敵ブラックエンペラーが正々堂々と真正面からぶつかってきてたからだと気づいた。ビビンバたちを人質にしてはいたが、あれは逃げようとするキン肉マンをやる気にさせるためという意味合いもあった。部下たちも最終的には一対一の真剣勝負、自身もキン肉マンがやる気になってからはリングに降り立った。


しかしサタンキングの場合は「狡猾さ」ばかりが目立つため、ブラックエンペラーよりも凄さを感じないのかなあと思う。子どもを押しつぶそうとしたりとか、リキシマンが闘ってるときに火山を爆発させてふっ飛ばしたりとか、テリーマンやロビンマスクを地割れで部下もろとも落としたりとか、バッファローマンを電撃で封じ込めるとか・・

早い話、嫌がらせばっかりが目立ってるというか。

この狡猾な性格がサタンキング一番の特徴といえようか。


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他には第一作及び第二作目との監督が違っているからか、妙にコミカルさが目立っている。本作の監督はキン肉マンを子ども向けということで熱さよりもギャグを増やした感があるが、個人的には第一作、二作目の白土武氏の作品のほうが好きだ。


1392115545022.jpg バリアに挑む際、テリーマンが私服だと思ったらシーンごとにいつものタイツ姿にころころ変わったり、「キン肉マン!」「キン肉マン!」と語りかける仲間の励ましに蘇るキン肉マンのシーンにリキオだけ忘れられたりと、細かいミスネタも目立つ。


そういえばタッグ編のフィナーレのトロフィーを掲げるシーンでもリキオだけいなかったな。



さて、その宇宙の大魔王と異名をもつ強さはというと、これまた恐ろしいほどの強さを感じさせるほどではなかった。

というのも、試合序盤からいきなりキン肉マンのドロップキック、サイドスープレックスの連発、ヒザ蹴り、オクラホマ・スタンピードと猛攻をくらいダウンしているからだ。

配下のブラックエンペラーは一度たりとも相手に触れられたこともないほどの超スピードでキン肉マンは捉えることすらできなかったというのに。


もしかしたら、数千年もの間眠り続けていた間に配下のブラックエンペラーのほうが実力をあげていたのではなかろうか。そしてブラックエンペラーもサタンキングの配下であるものの、眠り続けているのをいいことにいずれサタンキングに取って代わって自分が宇宙の支配者になるつもりだったんじゃなかろうか。

このあたり、ブラックエンペラーの考察でもう少し掘り下げてみたいと思う。


最後の技の切り返し合戦はある意味、フェニックスとの切り返し合戦よりもすさまじいものであった。


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ゲゲェーッ!!!

もうゲゲェー!と驚愕するよりほかない。サタンキングがキン肉バスターを繰り出し、それをキン肉マンがタワーブリッジで返し、最後はパロスペシャルからキン肉ドライバーにつなげるフィニッシュというスタッフやりたい放題凄絶なものだった。

しかしやはり即興のキン肉バスターであるからか手のフックが甘く、キン肉マンは首を抜くこともなく簡単に脱出していた。技の掛け手はその技の最高の破り手でもあることを思えば当然で、ここはロビンやウォーズマンの技を仕掛けたキン肉マンのほうが上というべきか。


それにしてもあのウォーズマンしかできない超難解技のパロスペシャルをまだ52の関節技も身につけていないこの時期のパワーファイターのキン肉マンが繰り出せるとは・・

恐るべし火事場のクソ力。


そういえばサタンキングは「今こそ正義超人を殲滅し、地球を支配する時ぞ」といい、コンドルサタンも「この時を待っていた!」と言っていたが、この時とは・・?

やはり悪魔将軍と悪魔六騎士が敗れたことを指していると思う。7人の悪魔超人たちが動き始めたのを知り、高みの見物を決め込んでいたところ、悪魔将軍まで出てきてしまい様子見をし、悪魔将軍が倒されたことを受け、邪魔者が消えて今こそ好機と考え目覚めたのではなかろうか。


余談だが、個人的にこの作品ではバッファローマンが子どもたちの前でダウンしてる絵とコウイチくんが土壇場までキン肉マンを信用せず「バッファローマン!お願い!気がついてー!」と叫んでるシーンが印象的だった。ここでいきなり手の平を返してキン肉マンに助けを求めなくて本当に良かったと思う。




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