宇宙をきままに放浪する生き残った純粋なサイヤ人の一人。神聖樹の実でパワーを増大させており、下級戦士ながら戦闘力は高い。地球が神聖樹に適した土壌と知って降り立ち、同じサイヤ人である悟空と悟飯を勧誘するも断られ闘いに。
神聖樹の実を食べ悟空を圧倒し元気玉をも破るが、最後はその神聖樹のエネルギーによって作られた元気玉で倒された。
彼の姿を初めて見たのはZ本編の予告だったと思う。近日劇場版が公開される時は予告が短くされて「この○休みまたまたオラたちが大暴れ!」みたいな映画の宣伝が入るのだが、その時登場した彼の姿に俺は一瞬にして一目惚れした。
ゲーッ!!悟空がスカウター着けてピッコロのマント着てるぅぅ!!
その圧倒的かっこよさの前に小学生男子の心はわしづかみ。そして本編見てみたらその台詞の一つ一つがすべて名言になるのではというぐらいの渋さ。しかもパワーボールまで使っちゃう。
野沢雅子御大の「はじけてまざれ!!」は今観ても当時のテンションに戻してくれる。
特にパワーボールはベジータさん曰く「限られたサイヤ人にだけ」作ることができるいわばエリートの技という認識だっただけに特筆に値する。もしかしたらパワーボールを作れるのは「一定以上の戦闘力」を持っていることが条件になってて、神聖樹の実を食べ続けたことで習得できたのかもしれない。
サイヤ人の誇りといえばベジータさんの代名詞みたいだが、このターレス氏もベジータに負けず劣らずのサイヤ人に対するこだわりが伺える。サイヤ人の価値観をわかりやすく教えてくれている。
「サイヤ人はサイヤ人にふさわしい生き方をしろ、でなければその立派なシッポがなくぞ!」
「その正しい使い方を教えてやろう。自分がサイヤ人であることを最も強く意識する使い道だ!」
「なぜだ…最強の戦士サイヤ人の血をひくお前が、そんな下等な生物に情けをかけると言うのか?」
特に子どもが親を殺すというのは、ベジータも「気に入らないやつは誰であろうと殺すだけだ、サイヤ人と一緒さ。親だの子だのおかしなことを言っているのはきさまら地球人だけだ」といい、パラガスも息子ブロリーに殺される寸前「こ、これもサイヤ人のさだめか・・」と言っており、ブロリーが実証した。
気ままに宇宙を放浪し、気ままに星を破壊し、気に入らないやつは殺すというサイヤ人の特徴を全て兼ね揃えた非情のサイヤ人で、ブロリーと同じくDB界で一番サイヤ人らしいと思う。
しかしそんな非情のターレスにも一つ、ブロリーにはないものがあった。それは「同族意識」である。
ターレスは悟飯の潜在パワーに目をつけ、事あるごとに勧誘していた。おそらく観ているファンにもけっこう印象に残ったと思う。
なにせわざわざパワーボールを使ってまで悟飯を大猿にし、サイヤ人の本能を目覚めさせようとしていた。知っての通り、パワーボールは使うとかなりのエネルギーを消耗する。そこまでしても悟飯を連れて行きたかった。おそらく惑星ベジータ消滅以後、一度も自分と同じサイヤ人と出会うことはなかったので、悟飯を見た瞬間相当テンションが上がったのだと思う。
勧誘①
「なぁ小僧、俺と一緒に来る気はないか?宇宙を気ままにさすらって、好きな星をぶっこわし、旨いモノを食い旨い酒に酔う!こんな楽しい生活はないぜ・・」
「もはやこの美しき青い星も、赤茶けた乾いた星に変わってしまう宿命だ・・この俺について来たほうがいい。それともこのまま死ぬか?」
「カカロット、お前が死んだ後は俺がガキの面倒を見てやるから安心しろ!」
大猿になってもなお情愛を持ち続けた悟飯に見切りをつけ、ターレスはこう言い放つ。
「所詮裏切り者のカカロットのガキを、連れて行こうとした俺がガラにもなく甘かったのだ!」
しかし、悟空と対峙した際も、ターレスは即座に殺そうとはせず勧誘した。
勧誘②
「カカロット!俺に跪いてわびるなら、お前のガキと一緒に仲間にしてやってもいいぞ。」
「神精樹の実を食べ続けてきたこの俺に勝てると思うか?」
ここでもなお悟飯とともに悟空を勧誘し・・
勧誘③
「さぁ跪け・・!跪いて命乞いをすれば許してやるぞ!」
「どうだカカロット?」
ここでようやく悟空に見切りをつけた。このあたりで「よっぽど一緒に行きたかったんだな」という想いが伝わってくる。3回も勧誘する悪役というのも珍しい。あの竜王や大魔王バーンでも一回だったしね。
「所詮は下級戦士、ぶざまなもんだ。だがこの俺は違う!神聖樹の実で全宇宙を跪かせてみせる!」
との言葉どおり、昨今の超サイヤ人のバーゲンセールに乗ること無く神聖樹の実一本で初志貫徹してほしいと思う。
○強さについて
それにしても、神聖樹の実を一口しただけで、10倍界王拳の悟空を一蹴したのは凄い。とんでもないパワーアップで、先のスカウターの悟空の数値は3万だったのだから、戦闘力30万以上の悟空を赤子扱いしたことになる。神聖樹の効果の凄さが伺える。
そりゃこんだけの実を食いまくったらフリーザをも超えられるだろう。
さらにこの人は元気玉を唯一正面から打ち破った人でもある。
ベジータ:一発目は撃つ前に攻撃、二発目は直撃するも倒せず。
フリーザ:死ぬかと思うほどの恐怖を与えるも致命傷にならず。
ブウ:一発目で撃破
ウィロー:一発目で撃破
ターレス:一発目は打ち破り、二発目で撃破
スラッグ:一発目で撃破
13号:吸収して腹パン
地球の元気が不十分だったとはいえ、M1020をBGMに悟空のいつもの台詞。「これで勝ちや!」と思わせる流れだっただけにあのどんでん返しは素晴らしいの一言。
俺としては、戦闘力よりも「神のみ食べることを許される神聖樹の種」をどこで入手したかのほうが気になるが、これは永久に明らかになることはないだろう。
どうせならそのあたりを誰かVジャンとかで番外編書いてくれたら嬉しいのだが。
最後は己自身の強さの源であった神聖樹のエネルギーによる元気玉で敗れたターレス、神聖樹とともに生き、神聖樹とともに死んだ見事な悪役だったと思う。
え?番外編で生き返ったことあるって?
あれ変なじいさんが作ったゴーストだし殆ど出番なかったし割愛。