地球征服のためキン肉マンたち正義超人を倒すべく部下を地球に差し向け、同じくキン肉マンを狙うシシカバ・ブーを利用した。
一度も相手に触れられたことのない超スピードでキン肉マンを翻弄し、身体を炎に包むブラック・スターファイヤーでの体当たりでキン肉マンを苦しめたが、新技デビルファイヤーの体当たりを受けた後、キン肉ドライバーで敗れた。
出身星:ガロワス大星雲 超人強度:2000万パワー
CV:柴田秀勝
個人的に劇場版のキン肉マンの相手では一番強かったのではないかと思うブラックエンペラー様。名前の由来は当然あの宇梶剛士氏が7代目総長を務めたあの某集団からだと思う。ググれば一発なんでその辺はお任せします。
そんな名にふさわしく、劇場版いやさキン肉マン作品の中でもその軍団規模は大きい。
また知名度も半端無く、ナチグロンや五分刈刑事までが「う、宇宙一恐ろしいと言われる、あ、あの・・!」とチビってしまうほどに知れ渡っていた。
テリーマンたち正義超人も、敵をひと目見ただけで正体を看破している。
テリーマン「うわさに聞くブラックバッファローの一団だ!」
ロビンマスク「お前たちはブラック・ナイト!」
ブロッケン「ブラック・レイン。黒い雨・・いつかは来ると思っていたが」
ラーメンマン「ブラックエンペラーの名を聞いたときから共に奴と闘わねばと思っていた!」
ウォーズマン「ロビンマスクから聞いていた、ブラックエンペラーとその一味のことを。いつかは闘わねばと思っていた!」
リキシマン「なんだお前たちは!」
あ、リキオさんだけわかってないっぽい。
まあとにかく他の劇場版の敵とはスケールがちがうと思う。
ブラック軍団というのは、元々は宇宙の大魔王サタンキングが大首領で、その下がブラックエンペラー、そしてブラックエンペラーの配下が宇宙地下プロレス連盟のオクトバスドラゴン軍や宇宙野武士たちである。
しかしキン肉マンとの戦いをみるに、ブラックエンペラーのほうがどうも全てにおいて格の違いが感じられてならない。
ブラックエンペラーは正義超人が各地バラバラなのを好機とし、それぞれの正義超人に軍団を真正面から送り込んだ。そしてテリーマンたち全員集まったところに、各軍団長を差し向け一対一の勝負に持ち込んでいる。
「我々がブラック軍団の勢力をあげて貴様らを地獄に送ってやる!ブラックメンルイ、ブラックズモウゆけい!」
「ブラック・レインGO!ブラック・ナイト!ブラック・ベア!部下の雪辱を晴らしてこい!」
と差し向け、特段策略もなかった。ビビンバたちを人質にしたのもやる気のないキン肉マンを本気にさせるためのものであった。シシカバブーを利用したのも「キン肉マンを倒せればそれでよし、倒せなくともそれなりのダメージは与えるだろうし後は大ウコンに任せれば十分」という計算だろう。何せシシカバブーは宇宙超人カーニバルのチャンピオンだ。敵にまわすぐらいならキン肉マン打倒の心を利用するほうがはるかによいと考えるのは当然だろう。
しかし、その上司のサタンキングは・・・
・子どもたちを誘拐して人質にする
・バリアで正義超人一人ずつしか入らさないようにする
・時間経過で子どもたちを船で押し潰そうとする
・バッファローマンを機械の電撃でしびれさせ消耗したところを倒す
・子どもたちを助けようとするキン肉マンを背中から撃ちまくる
特にバリアで一人ずつしか入らせないようにするのとバッファローマンのロングホーンを機械で電流を流して封じるというのがせこい。まさしく「老獪」極まれりという感じだ。
しかし、ブラックエンペラーは「残虐」ではあるが「卑怯」ではなかった。これこそ暗黒帝王の誇りの証ではなかろうか。
ブラックエンペラーはサタンキングの下に甘んじてはいるが、実際サタンキングは何千年も前から眠り続けており、もはやテリーマンが「本当に存在していたのか!」というぐらい伝説上の存在だったことを考えれば、事実上ブラックエンペラーが宇宙の支配者のような存在になっていたのだと思う。
エンペラー自身も何千年も目覚めぬサタンキングはもはやお飾りのようなもので、実際は目覚めないのをいいことに自分が取って代わろうとしていたのではないだろうか。
そして何千年もの間、眠り続けているサタンキングよりブラックエンペラーのほうがもう実力では上回っていたのではないだろうか。キン肉マンとの闘いを見る限り、俺はそう思っている。
その戦闘能力は本当に凄まじい。
「かつて一度も相手に身体を触れられたことがない」ってマジで凄くないですか?
上司のサタンキングなんて試合始まって速攻でキン肉マンにオクラホマ・スタンピードくらってたのに。
そして万が一その超スピードを見切られて掴まれたとしても、ブラック・スターファイヤーで全身を炎と化せば相手はただただふっ飛ばされるのみ。キン肉マンも新技デビル・ファイヤーを使って身体に炎をまとわなければ太刀打ちできなかった。
極めつけは火事場のクソ力を使ったキン肉マンのデビルファイヤーと体当たりしてほぼ五分と五分だったこと。
7000万パワーのキン肉マンの体当たりを受ければ大概の相手なら押し負けてふっ飛ばされるだろうに、上空でぶつかった後、ほぼ同じ位置で両者は落下した。
最後は火事場のクソ力のキン肉ドライバーを受けて敗れ去ったブラックエンペラー、その名にふさわしい強さと品位、格調、スケールを兼ね備えた見事な悪役だったと思う。